本や ふるさとマルシェ
いわきの本、民俗など。店主じゃんがら堂です。
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 ふるさとマルシェ本やの店主じゃんがら堂です。
 じゃんがら堂は、いわきの古本屋です。店舗は無く、駅前のラトブ6Fに事務所を構えております。古本を扱う一方で、民俗学徒として、いわきのじゃんがらを中心に、聞き書きをしております。夜は、たいてい平の呑み屋にいます。
 ふるさとマルシェ本やでは、福島やいわきなどの地域に関する書籍や資料を主に扱っております。このブログでは、じゃんがら堂が、お薦めしたい本や日々思ったことなどを綴りたいと思います。



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カオスその2 カオスと古本屋
五十嵐七重の語り『奥会津の伝承 五十嵐七重の語り』にも、カオスが出ていた。この本は、奥会津の金山町に生まれ育った五十嵐七重の語った昔話を語りのまま採録したもの。

この中に「狐と獺(カオス)」という話があった。魚釣りのうまいカオスは、毎朝余った魚を狐に食べさせていた。あるとき、狐が毎日馳走になるのは悪いからと、カオスを自宅に招待するが、狐はあれこれと言い訳をして、カオスは馳走を食べられない。ある朝、狐は、カオスに魚釣りのやり方を教わり、川端に出かけてゆく。尻尾をたらすと魚が食いついてくるのだが、欲の深い狐は、多量の魚が食いつくまで尻尾を上げない。冬の寒い晩であったために、狐の尻尾が凍りつき狐は動けなくなってしまう。そして、翌朝、狐は猟師に撃たれてしまう。

生真面目なカオスと欲深い狐が対照的に描かれている。語りではカオスは「稼ぇぎ者」と語られている。この話は「尻尾の釣り」に分類される昔話で、一般的には猿と狐が登場することが多いようだ。七重の語りもそうだが、狐やカオスは尻尾を川に垂らして魚を釣る。そして、オチの都合上、季節は冬場となっている。

七十二候の一つに獺祭がある。季節は初春であり、カオスが春先に捕らえた魚を川岸に並べる行為に由来することばである。カオスの祭りと表記されるのは、人間が祭りのときに供物を並べる様子に見立てたためである。さらに、獺祭は、モノを書くときに多くの資料や書物を並べ散らかすという意味にも転じている。正岡子規は自家を獺祭書屋と称している。
 
書物を並べ散らかした様は、まさにカオスなのである。カオスが生真面目に、一つ一つ釣り上げた獲物は、やがては乱雑なカオスの貌を見せはじめる。しかし、そのカオスには、カオスたちの個性が垣間見られることだろう。

そう、それが古書店の棚。古書店の乱雑さは、古書店主がカオスゆえのカオスなのであった。

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この記事に対するコメント

近ごろ暦を見ていない。獺祭魚(だっさいぎょ)って、雨水と啓蟄との関係は如何に?

カワウソくんは真面目で几帳面だったんですね。だから・・・日本では絶滅してしまうなんて・・・・・・・、人も然りですかね?
【2008/04/13 10:35】 URL | 杜蔭 #- [ 編集]

コメントありがとうございます
24節季 立春→雨水→啓蟄
72候 雨水の初候が獺祭魚らしいです。
【2008/04/16 20:38】 URL | 店主 #- [ 編集]


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