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| 岳温泉へ |
6月16日
福島県古書組合の市で二本松は岳温泉へ。福島県では、春と冬の年二回の大市を行っています。基本的に温泉場で行われ、市が終わると、温泉でどんちゃんやって、古書店同士の親睦を深めるわけです。
私は例年通り、古本屋の売り買いの一覧と会計表をパソコンで作る仕事です。高齢化の進むこの業界、パソコンを使える方も少ないので、こういう仕事は必ず、こちらに回ってきます。力仕事が免除されるだけましなんですが。
古本屋にとって、フリテは憧れます。古書市では、フリと置き入札という品物の取引方法があるのですが、いわゆる魚や野菜などの市のイメージが、古本屋にとってのフリです。 「心平。火の車。3000円から」とフリテの声がかかると、「4000円」「5000円」と声が上がり、「8000円」と最高値の声をかけた業者が落札するわけです。「8000円で○○堂さん」とフリテがいうと、脇にいるヌキが書名と落札額、落札業者を書き込んでいきます。
フリテのはじめに設定する底値は、本を知らないと勤まりませんし、また、フリテに勢いがなければ、フリも盛り上がらず値も上がらない。
置き入札は、品物の前に封筒が置いてあり、そこに、自分の落札額を書き込む。例えば、「3000円」というように。そこで、最高値を付けた業者が落札するわけですが、ヒゲと呼ばれる端数がけっこう勝負を決めます。「3190円」の「190」がヒゲです。こうした端数で勝ったときは非常にうれしいし、逆に負けたときはひどく落ち込みます。ヒゲには、古本屋の落札への想いが詰まっているといわれたことがあります。
今年もつつがなく福島県大市が終わりました。いや、これから本番の夜が始まるのですが、所用あって、夕方には山を降りました。
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| 古書サイトの可能性 |
じゃんがら堂の古書販売サイトをやらないかというメールに対する回答です。
確かに古本屋の個人サイトはあまりありません。あることにありますが、そこで一定の売り上げを作っているサイトは少ないでしょう。それは、今の人達の本の検索が、書名を検索窓に入れ込むというやり方のためと思っています。 膨大な在庫を抱えていないと、個々の要求にこたえることが難しい。そのため、古書の個人サイトは、よほどの物量を持っていないとできないと思います。
日本の古本屋という組合のサイトが日本で最大の古書サイトです。膨大な古書が登録されており、大変便利なサイトです。しかし、膨大な古書が登録されるために、価格競争が激しく、一部値崩れが起きています。
一方で、ネット販売に力を入れ、うまくいっているところもあります。たとえば、ネット古書販売の先駆けである福島県郡山市の古書ふみくらさんのサイト。 絵葉書、軍事、郷土史というジャンルを区切ったところがよかったのでしょう。特に絵葉書では、全国有数の古本屋です。
最近の若手の古本屋さんは、サイトで物を売ることよりも、店のイメージを作り、店売りやデパート催事につなげるところが多いように思います。東京青山の日月堂さんは、ヨーロッパや日本における近代を扱う古本屋さんです。火星の庭さんは仙台市の古本屋ですが、いわゆる古本カフェで、ビレッジバンガードで働いていた女性が古書販売を担当しています。どちらも女性のセンスのよさが現れているサイトだなあと思っています。
民俗学書籍・資料を専門とするネット古書店は、古書わらべさん。「民俗学 古書」で真っ先に引っかかってきます。
インターネットを使って民俗学書籍・資料を購入する層は、ネットリテラシーを十分持ってるでしょうから、「日本の古本屋」や他サイトとの価格競争になると思います。それが、ネット販売に躊躇する理由のひとつです。
また、ネット上の商財は、日本の古本屋でも、アマゾンでも、どのサイトで買っても同様で、顧客は仲介した古本屋の名前さえ覚えていないかもしれない。「民俗学書籍であれば○○書店さん」という専門性の高さが、ネット上で通用するのか。それよりも、他サイトの比較の中で安いものを買うのではないだろうか。そこがネット販売に踏み込めないところです。
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